2010年09月13日

統計データ分析は、大きく2つに分けられます

統計データ分析とは「確かめる」ことだ、というのを前回では説明しました。ところで、ここでいう「確かめる」は、目的によって2種類に分けられます。1種類目は「どうなってるのかを確かめる」で、2種類目は「自分の考えが正しいかを考える」です。1種類目の目的のために使用される統計データ分析手法のグループを「ファクトファインディング(事実発見)系」、2種類目の目的のために使用される分析手法のグループを「仮説検証系」と呼ぶことにしましょう。すると、それぞれのグループには、だいたい次のような分析手法が含まれます。

ファクト・ファインディング(事実発見)系
 記述統計,クロス集計,分散分析,因子分析,クラスター分析etc

仮説検証系
 重回帰分析,時系列分析,ロジット/プロビットモデル,パネル分析etc

 それでは、ビジネスに統計データ分析を使う場合、どちらのグループが必要になるでしょうか? その答えは、両方です。

通常、統計データ分析のプロセスは次のようにして行います。まず、注目している経済現象(*1)が「どうなっているのか」について正確な情報を掴むため、ファクト・ファインディング系の分析を行います。次に、その分析結果が示す事実をもとに「こうなった原因は何なのか?」を考えます(*2)。そして、「原因は何か?」についての「自分(なり)の考え」(*3)がまとまったら、「それが正しいかどうか」を仮説検証系の分析によってチェックします

img01.jpg

ただし、実際のビジネスでは、必ずしもファクト・ファインディング系と仮説検証系がペアで使われるとは限りません。例えば、業務の効率改善を行うために業務監査を行ったとします。この場合、生産性が低く非効率な業務をリストアップするためにファクト・ファインディング系の分析が使われますが、クライアントから特に追加的な指示がない限り、ここで監査は終了です。しかし、クライアントから「監査結果をもとに改善策を提案してほしい」というような要望があった場合は、自らが提案する改善策(*4)が有効であるかどうかを検証するために仮説検証系の分析が使われます。つまり、実用面においては、時と場合によって使い分けることも重要です

*1 会社や世帯の収入や支出、人員構成、間接費や直接費等の費用、組織体制、など。
*2 個別事例から原因を考えることを「帰納的推論」と言います。
*3 これが、統計データ分析における「仮説」です。
*4 非効率の「原因」を取り除くことができるアイデア
posted by ohkuma2300 at 10:41| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月05日

なぜビジネスに統計データ分析が必要なのでしょうか?

例えば、経営上の意思決定をしなくてはならない場面で、A案とB案という選択肢があったとします。もしも、過去の実績でA案が6割2分の成功率、B案が6割7分の成功率だったとすると、やはり少しでも成功率の高いB案を選ぶべきなのでしょうか? もしこれが、A案が1割B案が9割のような明確な差であったならば、どちらかを選ぶのに迷う人はほとんどいないでしょう(*1)。でも、6割2分と6割7分というのでは、あまりにも微妙ですよね? そんな時、この微妙な差がたまたま生じた(*2)ものなのか、それとも何か意味がある差(*3)なのかを、統計データ分析を使えば確かめることができるのです。

このケースに限らず、統計データ分析一般の効用は、この「確かめる」という一言に集約することができます。ところで、「確かめる」というのは、言い換えれば「不確実性を低くする」ということですし、「不確実性」はビジネス用語で言えば「リスク」ですよね。ということは、つまり、統計データ分析を行えばビジネス上のリスクを低減させることができる、と言えるわけです。経営者にとって、自社ビジネスのリスクを取り除くのは当然のことですよね? だから統計データ分析はビジネスに必要なんです。

*1 本当は、その場合でも様々な考慮が必要なのですが……
*2 偶然生じた
*3 「有意差」または「統計的に有意な差」といいます
posted by ohkuma2300 at 22:41| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月01日

はじめまして!

株式会社ゴーガに9月1日、つまり今日入社したばかりの新入社員(といってもキャリア採用)です。


簡単に自己紹介をさせていただきます。

名前は、大隈 慎吾(オオクマ シンゴ)といいます。
現職は、株式会社ゴーガの データ分析/モデル分析研究員 です。
前職は、民間シンクタンクの、やはり研究員でした。
専門は、社会現象のコンピュータ・シミュレーションと統計データ分析です。


コンピュータ・シミュレーションの中でも
特に私が得意なのはMAS(マルチ・エージェント・シミュレーション)なのですが、これは、シンプルな行動ルール(例えば、「隣りに敵がいれば攻撃し、いなければ隣りに移動する」など)だけを与えたエージェント(仮想的な行動者)をコンピュータの中にたくさん作り、その行動ルール通りに動かした結果、集団全体としてどんな現象が起こるかを観察するものです。

最近では、MASはハリウッド映画でも使われています。例えば、広大な戦場を無数の兵士が行き交う合戦シーンのリアルなCG(コンピュータ・グラフィック)をご覧になったことはないでしょうか? このCGの兵士1人1人を動かしているのがMASなのです。

MASの他にも、GTAPやGAMSなどのCGE(応用一般均衡モデル)シミュレーションや、マイクロ・シミュレーションなども得意としています。


統計データ分析については、計量経済学(統計学を使った経済学の実証研究分野)の範ちゅうに含まれるものなら、できないものはほとんどありません。
具体的には、分散分析、因子分析、主成分分析、判別分析、クラスター分析、コレスポンデンス分析、デシジョン・ツリー、重回帰分析、順序回帰分析、カテゴリカル回帰分析、ロジットモデル、プロビットモデル、対数線形分析、ロジット対数線形分析、一般線型モデル、時系列モデル(ARモデル,MAモデル,ARMAモデル等)、単位根検定、VARモデル、グランジャーの因果検定、インパルス反応分析、パネル分析、クロスセクション分析、コンジョイント分析、共分散構造分析、テキストマイニング等ができます。


ところで、統計データ分析というのはビジネスで決定的な役割を果たすことができる強力な武器だというのに、あまりそのことが世間では認知されていないように思うんです。なので、次の記事から、その辺りのことを書いていきたいと思っています。例えば、「そもそも何でビジネスに統計データ分析が必要なのか」から始まって、最終的には「こういうビジネス・シーンには、この分析方法が有効!」という個別具体例まで示せたらいいですね。

posted by ohkuma2300 at 13:29| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする